trio1

ジャズに合う季節はいつだろうか・・今シーズン初めての雪が西蔵王まで下りてきて、

 

色づいた葉が木枯らしに身を震わせる景色を見ながら、ふとそんなことを考えていた。

 

蔵王松ヶ丘のシベールアリーナには500人ほどの聴衆が集まり、落ち着いた旋律と

 

心地よいビートに心を揺らしていた。

 

 

山形市コミュニティファンド「株式会社シベール山形市文化・芸術支援基金」補助事業、

 

“Autumn Jazz 2Groupes Special Live”が113

 

文化の日、Y・A・J・C(ヤマガタ・アメージング・ジャズ・クラブ)主催のもと

 

開催され会場いっぱいの聴衆がアコースティックなJazzの魅力を満喫した。

 

 

今回のコンサートは今や山形を代表する企業となった株式会社シベールの熊谷社長が創設した

 

山形市コミュニティファンドの芸術・文化分野の基金を活用した催しで、高校生などの

 

若者から、我々シニア世代まで、幅広い対象にJazzの魅力を発信する事業だ。

 

   gene1

 

会場には60,70代と思われる落ち着いた雰囲気のご夫婦から、吹奏楽の部活帰りと思しき

 

高校生姿など、まさしく世代を超えた音楽ファンが集まり、本場の生演奏に聞き入っていた。

 

残念ながら、小生が会場に入ったのは1部の南博カルテット最終曲の場面。

 

じっくりと聴く事ができずに失礼してしまったが、第2部のジーン・ディノヴィトリオ+

 

テッド・ブラウンの落ち着いたスタンダード中心の演奏には、忘れかけていたスィングの

 

楽しさを呼び起こしてもらった。さすがにジーン、テッド、ともに80歳代とあって、

 

サウンドに勢いは感じられないが、その分、メロディアスで叙情的な演奏は季節ともマッチ

 

して心に染みた。途中、音抜けも何ヶ所かはあったものの、彼らに比して孫ほどの圧倒的に

 

若いドラマーのチェルビニも出しゃばらずに正確なリズムを打つ姿に好感が持てた。

 

ワイヤーで刻むスローなビートも切れ味は鋭く、時に切なく彼の故郷カナダの見事な紅葉を

 

思い起こさせてくれた。

 

ted

 

 

会場は500人と聞いていたが、それほどの聴衆が入っているという実感はなく、

 

ソロのパートではテナーサックスのキーがホールを叩く音がダイレクトに響き、

 

臨場感満点。それにしても、生のサウンドがこれほど暖かく身を包む体験を、

 

こんなに身近で提供してくれた今回のコンサート。

 

是非、山形の秋の定番コンサートにして欲しいと感じた一日ではあった。(K

 

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